蓄圧式は開けるな!(消火器内部点検)
JUGEMテーマ:防災
現在、消防法に基づいて設置されている事業所用の消火器は、おそらくは80%位がABC粉末10型消火器である。
放射時の破裂事故が多発した為に、小型のCO2ボンベを内蔵した『加圧式』に代わり、窒素ガスによって本体内部に常時圧力をかけておく『蓄圧式』への取替が進んでいる。
製造年から10年を過ぎた消火器は、全て本体の耐圧試験を実施しなければならない事になっている。
内部の薬剤を抜いて、水を入れて本体に漏れがないかを調べて、乾燥させてからもう一度薬剤を戻す。
こんな手間をかけるなら、本体ごと新しいものに取り換えた方が安く済むので、実情は製造年から10年を過ぎた消火器は取り替える事になる。
そしてもうひとつ、製造年から5年を過ぎた蓄圧式消火器(加圧式は3年)は、建物内設置本数のうち一定数を抜き取って本体内部の状態を点検しなければならない。
これが問題である。
窒素ガスによって常時圧力がかかっている蓄圧式消火器は開けるのが困難であり、一度開けると圧力漏れのトラブルが多発する。
点検実務上の実情に合わない点検規定は、改めるべきである。
消火器の口金は、開ける事が出来ない構造にして、製造年から10年を過ぎた消火器は全て有効期限切れとして交換する。点検は外観と圧力計の確認のみ。
これがいちばん実情に合った合理的な点検要領ではないだろうか?
これなら施設の管理者が自分で消火器の点検をして、報告書を作成する事もできるだろう。
点検現場で蓄圧式消火器の口金を開けるのは困難なので、内部点検の場合は代替消火器をその場に置いて持ち帰り、点検の後もう一度持って行く事になる。
現在普及している蓄圧式消火器には『排圧栓』がない。口金を開ける為には薬剤を放出するしかない。
これは内部点検の実施を考慮した設計ではない。
蓄圧式消火器の口金を開けた場合には、パッキンなどは全て新しいものと交換して、薬剤も新しいものと取り替えて窒素ガスを充填する。
メーカーから出荷された蓄圧式消火器は、開けるべきではないのである。
- 2019.03.16 Saturday
- 仕事
- 08:16
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- by yamanoanalog